「自虐の詩」2巻完結

こんなにつらく、胃が痛くなるマンガは初めてだった。
私の好きなブログで紹介されていたんだけども、本当につらかった。
おそらくギャグの四コマとしてはじまったのだろうけど、それが面白くないのだ。
まるで笑えない。構図としては[不幸な状況][だけど……][それでも……][やっぱり不幸な状況]という四コマ構成で前半部分は続くんだけれども、他人の不幸を笑えるほど私は強くない。
フィクションとして受け止めてしまえばいいのだろうけれども、キャラクターを人間として、その存在に意味を感じてしまう読み方をしてしまうと、もう救いようがなくなる。
物語は進むにしたがいストーリーマンガの様相を呈する。
幸せ不幸せは、相対的なものでしかなく、どんな不幸でも幸せとなりうる。
現在が肯定できるならば、今までの経験はすべて肯定できるものになる。
ということが示唆されているような気がするのだが、それは机上の話だと思う。
絶対的な幸福感、なんてものはないのかも知れない。けれど、自分の定規というのは確実に存在するのだ。
主人公は、最終的に自分を肯定する。だから、私たちは救われたような気になる。しかし、それは切り取られた他人の人生としてしか見ていないからだ。
『他人』なんて存在はどこにもいない。誰もが自分であり、一人の感性を備えた人間だ。
私は、主人公の人生を肯定しない。それは、私が私自身を肯定していないからかもしれない。